昔から宝塚が大好きで、休職中も時々観劇してご自愛しています。
先日も、月組『GUYS AND DOLLS』を観劇してきたので感想を書いていきます!
鳳月杏&天紫珠李コンビの大劇場2作目。
前作でも感じた“大人の色気”が、今回はさらに深まっていました。
主要キャスト感想
鳳月杏(スカイ):これぞ宝塚のダンディズム
スカイはダークヒーローでありながら、宝塚的ダンディズムの王道です。
あまりにも適役すぎて、肩の荷下ろして臨んだわけですが、期待を軽々と超えてきました。
台詞回しや歌唱は安定のクオリティ。
悪く言えばいつもの鳳月杏。
しかし、衣装を身にまとった立ち姿の貫禄、特別感が群を抜いています。
(他のギャンブラー達もスーツで統一されていたこともあり、違いは一目瞭然。)
客席登場シーンで至近距離に現れた瞬間の輝きは、これぞタカラジェンヌ…!!!
研20の磨き抜かれた貫禄と骨格美に尊さを感じました。
天紫珠李(サラ):『GUYS AND DOLLS』とは、サラの信念の話である
宝塚における主人公は必ず男役トップスターですが、本作品タイトルの通り、サラも主人公の一人だと言えます。
サラは信念のある女性です。
最初は“正義”を強く信じていた彼女が、対極にある“悪”の男に惹かれ、戸惑いながらも、
その純粋な信念をもって、最後に“悪”の男を信じる選択をする__
天紫珠李は、この揺れる大人の心模様を繊細に演じていました。
特に個性派揃いの月組の中で、彼女のこうした“静”の魅力は光るものがあると思います。
風間柚乃(ネイサン):芝居巧者ゆえの“悩ましさ”
風間柚乃は、もはや安定の芝居巧者。
ギャンブラーとしての小悪党ぶりから、恋人アデレイドへの優しさ、細部にまで芝居の呼吸が行き届いていました。
それを軽やかにやってみせてしまうから彼女はすごいですよね。
さて、誠に勝手なことを申し上げますが、
欲を言えば、わたしは苦戦する風間柚乃が観てみたいです。
芸事に真摯に向き合う姿に敬意を払いつつも、やはりさらなる高みを期待せずにはいられないのです。
まだ、2番手。
先は長いのですから、ピークはまだまだ先にあると信じています。
礼華はる(ナイスリー):犬系男子に癒されて
礼華はる演じるナイスリーは、どこか2002年大空祐飛を想わせるちょいおバカなかわいい犬系男子。
主題歌「野郎どもと女達」や「Sit Down, You’re Rocking the Boat」での歌唱も安定感あり。
そして、声量!!!
声量のある人の歌は聴いていて気持ちがいいですね。
彩海せら(アデレイド):東宝ミュージカル女優ばりの存在感と声量
今回アデレイドは彩海せらでしたが、いや〜うまい。
存在感!!!そして、声量!!!(2回目w)
良い意味で“若くない”演技がハマってて、ネイサンとの14年の婚約期間にも説得力がありました。
なんというか、卒業後に東宝ミュージカルとかで活躍していそうな絵が容易に浮かびますね。
彼女の舞台力、恐るべしです。
新演出について
今回の『GUYS AND DOLLS』は、台本・訳詞・演出すべて新しくなった2025年版。
「細かいことは気にせずいこう」と臨んだものの、過去作を擦り切れるほど観たファンとしては、
正直ちょっと違和感がありました。
特に、「運命よ、今夜は女神らしく」は、歌詞の変化が気になって仕方なかったです…。
台詞については、歌詞ほどの違和感はなく、意味がわかりやすく、親切な表現となった印象です。
前回2015年星組版では、70代の祖母がついていけず、冒頭から寝てしまっていたのを思うと、
今回のリメイク版は配慮を感じます。😹
もやるフィナーレ衣装
少しだけ衣装についても触れます。
まず、劇中の衣装は良かったと思います。
おしゃれで、キャラクターの個性を伝えており、宝塚のミュージカルにおける衣装の役割を果たしていたと感じました。
一方で、フィナーレの衣装は、個人的にあまり好みではありませんでした。
トランプの絵柄をモチーフにしたスーツ&ドレスは、柄がうるさく、もう少し洗練された美しさがほしかったです。
(もっとも、白雪さち花&彩みちるの美脚を最後に拝めたという点では、大変ありがたかったのですが。)
デュエットダンスの衣装は稲葉先生お馴染みの、エキゾチックで華やかなデザインであるものの、
どこかで見たような既視感がありました。
稲葉先生の世界観を愛しつつも、“作品ごとの個性”を見てみたい、そんな期待を抱きました。
その他キャスト感想
その他気になったキャストをさらりと。
本作品で退団する彩みちる・白雪さち花は、まさに“渋き良き娘役の集大成”。
もうお二人の渋み溢れる芝居・美脚が見納めなのが惜しくてたまらないのは、わたしだけではないはず。
白雪さち花からバトンを引き継ぎ、副組長就任予定の夢奈瑠音。
下級生スターの礼華はるを支える一員として一歩引いた守りのプレーを見せつつ、
スポンサー付き路線としての華のある攻めのプレーも時より覗かせ、実に月組らしい上級生だなと思いました。
柊木絢斗も安定感と華があり、すっかり月組の中核メンバーの風格がありました。
2022年月組『今夜ロマンス劇場で』の鳩三郎(台詞「クルックゥ」だけ)からの躍進を感じましたね。
白河りりは、娘役の役が少ない本作において、ハバナの女としてしっかり爪痕を残していましたね。さすがです。
飛翔れいのロケットの美脚も最高でした。
(前回作『PHOENIX RISING』以来、彼女はわたしの中で“美脚担当”です。笑)
その他、ガヤ芝居のメンバーや「MooZinG」の若手メンバーなど、ひとりひとりをじっくり見たかったのですが、
目が全然足りず…
半ば絶望しておりました。。。🙀
月組、層が厚い。
じっくり個人観察は次回作、もしくはBlu-rayで楽しみたいと思います。
それでは、また。
